葉酸を多く含む食品について
葉酸は、造血作用やDNA形成など身体の重要な働きに欠かせない栄養素です。
特に、妊娠中に摂取することで、胎児の神経管閉鎖障害リスクを低減できることから、普段の食生活のなかで意識して摂取しておきたいという方も多いと思います。
今回は、葉酸を多く含む食べ物一覧と、妊婦さんでも安心して、葉酸を摂れる『水銀』や『カフェイン』など、胎児の成長にリスクのない食べ物をまとめております。
妊活や妊娠中の方はもちろん、美容や健康のために葉酸を摂りいれたい方も参考にして頂けたらと思います。
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葉酸を多く含む食品には妊娠中に控えたい食べ物もある
妊娠中は、赤ちゃんの神経管閉鎖障害リスク対策の為に葉酸を積極的に摂取するように、産婦人科等でも推奨されています。
その為、葉酸を多く含む食べ物を意識して摂取しようと心掛ける妊婦さんも多い思います。
しかし、葉酸を多く食品のなかにも、『脂溶性ビタミン』や『リステリア菌』など、妊娠中の赤ちゃんや、母体のリスクとなる成分が含まれている食品も存在する為、安易に葉酸の含有量が多いというだけで、食品を選ぶことは避けたほうが良いです。
― 妊婦さんが注意すべき成分 ―
■脂溶性ビタミン
レバーやうなぎの肝に含まれる『脂溶性ビタミン』のビタミンAやビタミンDは、体内に蓄積しやすく『過剰摂取』を続けることにより、胎児の奇形リスク(水頭症や口蓋裂等)を高める場合があります。
■リステリア菌
明太子や、すじこなど魚卵には、感染症の原因となる『リステリア菌』が含まれていることがあり、特に抵抗力が落ちている妊婦さんは、リステリア感染症の発症リスクがあり、それに伴い『流産』や『早産』の危険性が高まる恐れがあります。
■アピオール
パセリやセロリに含まれるアピオールは、中絶目的で使用されている成分であり、妊娠中には控えたほうが良いです。
■カフェイン
コーヒーや緑茶に含まれるカフェインも妊娠中は控えたい成分で、過剰に摂取することで、母体に必要な鉄分やカルシウムを阻害するだけでなく、赤ちゃんの発育障害リスクが高まる恐れがあるとされています。
このことから、『葉酸の含有量が多いだけ』で食べ物を選ぶことは危険です。
産後の『授乳中』に関しても、脂溶性ビタミンなどの安全性に関する十分なデータがない為、これらを含む食べ物は控えた方が良いです。
妊娠中にも安全な葉酸を多く含む食べ物一覧
以下から妊娠中に、母体や赤ちゃんに危険性を及ぼす『リステリア菌』や、『アピオール』・『カフェイン』を含まない、葉酸の含有量の多い食品ベスト10をまとめました。
また、葉酸以外にも、妊娠中に役立つ『有効成分』が含まれる食品であるため、妊活中や妊娠初期など特に栄養が必要な時期に意識して、積極的に摂取したいところです。
葉酸の含有量は多い食べ物ですが、『葉酸は調理の段階で失われやすいこと』『食品からの摂取は食べた量の約50%しか吸収されない』ということを覚えておきましょう。
1.枝豆(1日400μgの目安量:3人前程)
さやに入っているので、茹でた際の栄養損失が少なく、しっかり葉酸を補えます。
食べやすいサイズで、つわりの時でもとりやすいです。
2.モロヘイヤ(1日400μgの目安量:約1袋半)
色んな野菜を入れてスープを作れば、つわり時でも食べやすく栄養補給もバッチリです。
ビタミンAの配合がありますが、体内で必要な分だけ使われる性質を持つので、過剰摂取による胎児の奇形の心配はありません。
3.ブロッコリー(1日400μgの目安量:約8個)
葉酸の吸収率を高めるビタミンCも豊富なので、葉酸補給に向いています。
4.芽キャベツ(1日400μgの目安量:約18個)
ブロッコリー同様、葉酸の吸収を高めるビタミンCが豊富なので、葉酸を効率的にとれます。
5.ほうれん草(1日400μgの目安量:およそ2束)
葉酸の他に、妊娠中に不足しやすい鉄分も摂取できます。鉄分不足は貧血を招くので、貧血予防に欠かせません。
ただ、食べすぎはカルシウム不足につながるので、ほどほどが大切です。
6.菜の花(1日400μgの目安量:およそ1/2束)
葉酸はもちろん鉄分やカリウムがバランス良く含まれ、妊娠中に起きやすい妊娠高血圧症候群やむくみに役立ちます。
7.水菜(1日400μgの目安量:およそ3束)
京菜やヒイラナなどと呼ばれる水菜は、葉酸の他に食物繊維も豊富です。
食物繊維には整腸作用があり、妊娠時に陥りやすい便秘解消になります。
8.アスパラガス(1日400μgの目安量:約11本)
年間を通して安く手に入ります。
葉酸の他に、アミノ酸の一種のアスパラギン酸の配合もあり、妊娠時に起きやすいむくみや心身の疲労にも効きます。
9.いちご(1日400μgの目安量:およそ2パック)
サッパリした味で、つわりの時でもとりやすいです。
また、豊富なビタミンCが葉酸の吸収率を高めるので、効率的に葉酸をとれます。
10.納豆(1日400μgの目安量:約6個)
葉酸の他にもビタミンKが豊富で、出産時の赤ちゃんの出血予防になります。ビタミンKが不足した場合、産道を通る際に頭蓋内や消化管に出血が起こります。
他にも、納豆の解毒効果がある肝機能アップにより、流産や早産の危険性がある煙草やアルコールの害から守られます。
味が苦手な場合は、薬味を多めにしたり、パンに溶けるチーズと一緒にかけてオーブントースターなどで焼くと食べやすいです。
美容や健康の為に意識して食べたい!葉酸を多く含む食べ物一覧
ここからは、葉酸の含有量が多い食品を中心に、まとめさせて頂きました。
葉酸は妊婦さんだけでなく、成人男女にも美容や健康の為に意識して摂りたい栄養素です。
高血圧や、動脈硬化の対策、美しい髪や肌のハリやツヤ、基礎代謝を上げる役割もあり、男性特有の前立腺や染色体異常の対策など、葉酸は健康と美容のさまざまな機能をサポートすることに欠かせない大切な成分です。
その他、葉酸の効果の詳細は、『丸ごと教える!葉酸の驚くべき効果と効能のすべて』を参考にしてください。
又、葉酸の1日の推薦量は成人男女で1日240μgとされており、多く食べれば良いというものではありませんので、摂取量を目安に意識して摂るようにしましょう。
● 鶏レバー
血を造る葉酸・鉄分・ビタミンB12の量が非常に多く、貧血予防や改善効果が高いです。
ほかにも、二日酔い、眼精疲労、皮膚病、アレルギーなどにも効きます。
生で食す場合は、食中毒の危険性がある為、加熱してお召し上がりください。
● うなぎの肝
うなぎの肝には100gあたり380μgもの葉酸が含まれ、他にも脳の栄養になるコリンやDHAやEPAも豊富です。
記憶力や集中力が低下した時に、最適な食べ物となります。
串焼きやお吸い物にして頂くと美味しいのでおすすめです。
● ウニ
ウニも100gあたり360μgと葉酸が多く、肌に良いビタミン類(ビタミンB1やビタミンEなど)も豊富です。これらのビタミン類は、肌の潤いや再生にも関与して、乾燥やシミやしわなどの改善に繋がります。
さらに、鉄分やカルシウムも多いので、貧血や骨粗鬆症の予防にも有効的です。
● パセリ
100gあたり220μgと葉酸が多く、β-カロテン、ビタミンC、カリウム、カルシウム、鉄分も多いです。
死亡リスクもある生活習慣病の予防や改善効果も高く、美肌やむくみ改善にも役立ちます。
サラダやスープ等に加えると良いでしょう。
● 酒粕
甘酒の原料となる酒粕は100gあたり170μgの葉酸を含みます。他にも、食物繊維やビタミンB群や亜鉛等も豊富で、糖尿病治療や高血圧やがん予防になると酒造メーカーや行政サイトで発表されています。
酒粕をお湯に溶かして砂糖を入れた甘酒を作ったり、ほうれん草と一緒にあえても美味しいです。
アルコールを含むので、お酒が弱い方は程々にした方が良いでしょう。
● 日本茶
日本茶も100gあたり150μgと葉酸が豊富です。
有名ですが、苦味成分のカテキンも多く、生活習慣病予防・高血糖改善・肥満予防・感染症予防・虫歯口臭予防にもなります。
● 焼きのり
水分を含まない乾き物の中で焼きのりは、100g中1900μgもの葉酸を含みます。
ビタミンCや食物繊維や鉄分なども多く、美白効果、便秘解消、貧血予防、疲労回復、イライラ解消、生活習慣病予防にも役立ちます。
栄養価の高い食べ物なので、1日1~2枚に留めておき、過剰摂取には気を付けたいところです。
葉酸を含む食材の食べ方や調理方法
水溶性ビタミンである葉酸は『水や熱に弱く吸収率も50%程度と言われています。
その為、調理は葉酸を失わない為に、『蒸し料理』や『電子レンジを活用』し、水や熱を極力使用せずに調理することが大切です。
また、『ビタミンC(赤ピーマンやいちご)』や、『ビタミンB6(鮭や鶏ひき肉)』・『ビタミンB12(しじみやアサリ)』は葉酸と同時に食べることで吸収率が向上する食べ物です。
葉酸を多く含む食品と共に、吸収率を助ける食べ物も意識することで、効率よく葉酸を摂取することができます。
このように葉酸はデリケートな栄養なので、調理と食べ方も意識するようにしましょう。
~葉酸を含む食材の食べ方や調理方法のまとめ~
栄養損失しない調理方法は炒める、蒸す、電子レンジの活用
葉酸の吸収を高める栄養のビタミンC、ビタミンB6、ビタミンB12と一緒に食べる
冷暗所での保管で栄養損失を防ぐ
冷暗所がない場合は早めに食べる
葉酸は、特に調理に手間がかかり、吸収率も悪いことから、特に葉酸を欠乏してはならない妊娠の時期は、葉酸を含むサプリメントや栄養補助食品を併用することが産婦人科や厚生労働省から推奨されています。
妊活や妊娠中の葉酸の摂取に関しては『現役医者が明かす おすすめの葉酸サプリの選び方』を参考にしてください。
まとめ
繰り返しになりますが、妊娠中や授乳中は普段より葉酸の摂取量が多くなるものの、葉酸を多く含む食べ物には、妊婦さんや授乳婦さんでは『控えた方が良い』ものもあります。
摂取した場合、妊娠中は『胎児の奇形』『流産』『早産』のリスクを高めてしまいます。授乳中は、乳児への安全性が『未確認』なので安全とは言い切れません。
このことから、含有量の多さを理由に葉酸を含む食べ物を選ぶのは危険になる為、枝豆やいちごと『安全性』を踏まえて選ぶことが大切です。
葉酸は美容や健康効果も高いので、産後の授乳が終了した際には、妊娠中や授乳中ではキケンだった『レバー』や『うなぎの肝』なども取り入れると良いでしょう。
基本、葉酸は水や熱に弱く『栄養の損失』が起きやすい為、食べ方や調理には特に気を付けて摂取を行ってください。
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