世界(82カ国)では穀物に葉酸が含まれている
米国をはじめとする、世界82カ国では、米や麦などの穀物に、『葉酸の添加が義務付け』られており、普段の食事から、葉酸を摂取できる環境にあります。そのことから、二分脊椎の子供が生まれる割合が少ないです。
一方、日本は、2000年にようやく、厚生労働省が、妊娠希望者や妊婦さんへ、葉酸サプリメントの摂取を勧告していますが、まだまだ国内では認知が低く、穀物への葉酸の添加が義務化していないことから、普段の生活から葉酸を補うことができず年間通して、500~600人の二分脊椎の子供が生まれているのが現状です。
二分脊椎は、歩行困難、排尿困難など、生きていく上で、負担の大きい症状であり、苦労されている方も多いことから、国内でも妊娠時の葉酸の摂取の必要性の認知度を向上しようという専門医らが働きかけています。
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国内では年間に約600人の二分脊椎の子供が生まれている
葉酸は、妊娠中の胎児の、二分脊椎や、流産や死産に繋がる無脳症のリスクを減らす上で、重要な栄養素であることから、厚生労働省は、2000年より、いつ妊娠しても良いように、妊娠前から葉酸サプリメントの摂取を勧告しています。それなのにも関わらず、国内では、『年間約600人』もの、『二分脊椎の子供』が生まれており、流産等に繋がる『無脳症の発症率も高い』です。
この原因は、葉酸の重要性が、日本の妊娠希望者や妊婦さんへ、十分に広まっていないことはもちろん、国側の対策が甘いことも言えます。
米国をはじめとする、世界各国では、国側が、穀物に葉酸を添加して、普段から、葉酸の摂取ができる環境作りに励んでいますが、日本では、対策が行き届いていないため、それでなくても、普段の食事から補いにくい葉酸がとれずに、二分脊椎の子供が生まれるなどが起こってしまうのです。
普段から葉酸の摂取は意識したほうがよい
葉酸は、体への吸収が悪かったり、排出されやすいので、普段から、『意識』して摂取することが大切です。
妊娠中の、二分脊椎や無脳症のリスクを下げることの他に、健康維持にも関与しますので、健康管理にも最適となります。
今年になって、国の対策がすすまないことから、脳神経外科医、産婦人科医ら26人が、日本パン工業会等に、直接、葉酸の添加を求めていますので、この働きが上手く働けば、将来的にコンビニのパンなど、身近な食品からも、葉酸が補えるようになり、赤ちゃんの二分脊椎のリスクの低減も期待できそうです。
大手のパンや食品メーカーが動くことで二分脊椎のリスクは減る
前項で触れたように、今年になって、医師らが食品への葉酸の添加を求めたり、すでに、一部のメーカーからは、葉酸が添加された、シリアル、ジュース、牛乳などが販売されています。
他にも、埼玉県の坂戸市では、パン、うどん、たまご、ドレッシングなどに、葉酸を添加して販売する、葉酸プロジェクトが行われていたりと、徐々に、身近な食品から、葉酸を摂取できる環境が整ってきています。
※坂戸市の葉酸プロジェクトPDFより画像転用許可済み
ですが、全国的にはまだ、一部に限られておりますので、葉酸を十分に摂取できるかと聞かれれば、そうではありません。
今は、このような活動が広まり、『大手のパンや食品メーカー』も、葉酸の重要性を理解して、食品開発・販売に踏み込んでくれることを願うばかりです。
妊娠時だけでなく認知症や脳梗塞のリスクも低減できる
葉酸は、胎児の神経管閉鎖障害の、二分脊椎や無脳症リスクの低減はもちろん、『貧血、若年性認知症・老人性認知症、脳梗塞の予防』にも有効性が高いと、葉酸を研究している栄養大学でも明らかになっています。
神経管閉鎖障害だけではなく、貧血、認知症などは、誰もが起こりうる病気で、特に、認知症は、徘徊、妄想、幻視など、いろんな問題が起きることから、対応に困るなど、家族に負担がかかることも多いので、葉酸でリスクを低減できることは喜ばしいです。
近い将来、葉酸が添加された、パン・穀物等が増えて、葉酸を摂取できる環境が整い、これらの発症率が、自然と減少する世の中になって欲しいものです。
まとめ
医師が企業に、食品への葉酸の添加を求めたり、既に、葉酸が添加されたパンなどの販売も行われていますが、現段階では、葉酸が添加された食品は少ないので、食品からの十分な補給は難しいです。
その為、ほうれん草やブロッコリーや納豆など、葉酸を含む食べ物を、意識して摂取して、1日に必要な量を十分に補うためにも、葉酸サプリメントからの補給も忘れてはなりません。
厚生労働省では、神経管閉鎖障害のリスク低減のために、妊娠希望者や妊娠中の摂取をすすめていますが、いつ妊娠に至るか分かりませんし、それ以外でも、貧血、認知症、脳梗塞の予防にもなりますので、葉酸の摂取を、習慣化させていきましょう。
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